花粉症
花粉症とは
花粉症は単なる鼻水やくしゃみだけでなく、目のかゆみ、皮膚の荒れ、さらには集中力の低下や全身のだるさを引き起こす、生活の質(QOL)に大きく関わる疾患です。「毎年この時期は仕事や勉強が手につかない」「市販薬では眠気が強くて困っている」といったお悩みをお持ちの方は当院へご相談ください。
花粉症の症状について
花粉症の症状は、大きく分けて「鼻の症状」「目の症状」「それ以外の全身症状」に分類されます。最も代表的なものは鼻の3大症状と呼ばれる、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりです。風邪の鼻水が粘り気を持つのに対し、花粉症の鼻水はサラサラとしていて、止まらなくなるのが特徴です。
目の症状としては、激しいかゆみや充血、涙目、異物感(ゴロゴロする感じ)が挙げられます。かきむしってしまうことで結膜が腫れたり、視界がかすんだりすることもあり、早めの対策が重要です。また、意外と見落とされがちなのが全身症状です。花粉が飛散する時期に、以下のような不調を感じることはありませんか。
- 喉のイガイガ感や咳
- 皮膚のかゆみや赤み(花粉皮膚炎)
- 頭重感や頭痛
- 全身のだるさ、倦怠感
- 集中力の低下やイライラ感
これらの症状が重なると、睡眠不足を招き、日中の仕事や勉強に大きな支障をきたします。
花粉症の原因について
花粉症の直接的な原因は、植物の花粉に対して体が過剰に反応するアレルギー反応です。本来、花粉は人体にとって無害なものですが、体の免疫システムがこれを「外敵」と誤認し、排除しようとしてIgE抗体というタンパク質を作ります。この抗体が体内に蓄積され、一定量を超えた状態で再び花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、ヒスタミンなどの化学物質が放出され、神経や血管を刺激して症状を引き起こします。
日本で最も多い原因はスギ花粉ですが、藤沢市周辺でも以下のような様々な植物が原因となります。
- スギ(2月-4月頃)
- ヒノキ(3月-5月頃)
- カモガヤ・ハルガヤなどのイネ科(5月-7月頃)
- ブタクサ・ヨモギ(8月-10月頃)
原因となる花粉をアレルギー検査(血液検査)で調べることもできます。どの花粉に対してアレルギーを持っているかを明確にすることで、飛散時期を予測した事前治療を推奨しています。
花粉症の病気の種類について
花粉症は医学的には「季節性アレルギー性鼻炎」や「季節性アレルギー性結膜炎」と呼ばれます。通年性のアレルギー(ダニやハウスダスト)とは異なり、特定の季節にのみ症状が現れるのが特徴ですが、最近では複数の花粉に反応し、1年の大半を症状に悩まされる方も増えています。
また、花粉症に関連して注意が必要なのが「口腔アレルギー症候群」です。これは、特定の果物や野菜を食べたときに、口の中がかゆくなったり腫れたりする症状です。花粉のアレルゲン構造と、リンゴやモモ、トマトなどの果物の構造が似ているために起こる「交叉反応」が原因です。
さらに、気管支ぜんそくを合併している方は、花粉の時期に咳が止まらなくなったり、呼吸が苦しくなったりするリスク因子となります。
花粉症の治療法について
薬物療法(対症療法)
最も一般的な治療法で、症状を抑えることを目的とします。
- 抗ヒスタミン薬:鼻水やくしゃみを抑えます。眠くなりにくい新しいタイプの薬も選べます。
- 鼻噴霧ステロイド薬:鼻粘膜の炎症を抑える効果が高く、鼻詰まりに有効です。
- 点眼薬:目のかゆみや充血を抑えます。
舌下免疫療法(根本治療) ※当院では行っておりません
アレルギーの原因物質(スギ花粉やダニ)のエキスを少量ずつ体内に取り入れ、体を慣らしていくことで、症状の根本的な解決を目指す治療です。
- 対象:5歳以上のスギ花粉症またはダニ皮膚アレルギーの患者さん。
- 方法:1日1回、錠剤を舌の下に置いて服用します。
- 期間:3年から5年程度の継続が推奨されます。
この治療法は寛解(症状が落ち着いて安定した状態)や、将来的な薬の減量、あるいは完治が期待できる画期的な方法です。ただし、服用直後の口内の腫れや痒みといった副作用のリスクがあるため、初回服用は必ず医師の監視下で行います。また、治療開始時期は花粉の飛散時期を避ける必要があるため、5月から11月頃の開始が望まれます。
花粉症についてのよくある質問
Q1. 症状が出る前から受診したほうが良いですか?
A1. はい、飛散開始予測の約2週間前から治療を始める「初期療法」を推奨しています。症状が軽いうちから薬を服用することで、本格的な飛散期に入っても症状を抑えやすくなり、そのシーズンのQOL(生活の質)が向上します。
Q2. 眠くならない花粉症の薬はありますか?
A2. あります。最近の第2世代抗ヒスタミン薬は、脳内に入りにくい構造になっており、眠気の副作用が大幅に軽減されています。お仕事で運転をされる方や受験生の方には、眠気の出にくいお薬を選択して処方いたします。
Q3. 妊娠中や授乳中でも治療を受けられますか?
A3. 可能です。胎児や乳児への影響が少ないとされる点眼薬や点鼻薬などの局所療法を中心に、必要であれば比較的安全性の高い内服薬を慎重に選択します。
市販薬で我慢せず、お早めにご相談ください
花粉症の治療は、花粉が飛び始める少し前(あるいは症状が軽く出始めた頃)からお薬を飲み始める「初期療法」が非常に効果的です。早めに対策をすることで、ピーク時のつらい症状を大きく和らげることができます。
毎年花粉症でお悩みの方や、「もしかして花粉症かも?」と疑わしい症状がある方は、本格的にひどくなる前に当院へご受診ください。
